細菌はバクテリアとよばれることも多く,普通は原核生物全般をさします。核膜に包まれた核とよべる構造体はなく,葉緑体やミトコンドリアとよべる細胞内器官もみあたりません。最近の研究で,細菌は古細菌と真性細菌の2つのグループに分けられることがわかってきていますが,大部分は真性細菌に属するようです。細菌のなかで,酸素発生型光合成を行うものは,藍藻として別に扱われるのが普通で,このサイトでもそのようにしています。細菌は,生態系のなかで分解者として最も重要であることはよく知られたところです。代謝様式もさまざまで,硝化,脱窒,硫黄還元など生態系のなかで重要な化学反応の担い手であるものも数多くあります。細菌の分類は,普通は外形を見ただけではだめで,代謝様式などを調べる必要があります。したがって,ここでは同定は全くできていません。ここでは細菌であることがわかりやすいものをいくつかのせていますが,実は細菌はどこにでもいると考えるべきで,採集した試料の中には必ず無数にいると断言してよいと思います。一見ゴミのようにみえるものも実は細菌のかたまりであることが結構多いですし,生物を含め,他物の表面にも多数付着しているとみるべきです。細菌の研究はプランクトンの研究や小さな底生生物の研究などとは別の手段が用いられることが普通です。極めて小さくて光学顕微鏡ではよく見えないものも多く,顕微鏡による観察だけでは詳しい観察は到底無理なので,無視してもよいと思います。
- 藍藻★★ : 藍藻と細菌は系統分類的にはごく近い位置にある,というより藍藻は「酸素発生型光合成をする細菌」であり,細菌の一部です。したがって,藍藻は他の細菌と極めて似ている場合が多くあります。区別点としては,藍藻が光合成色素を持つため細胞の色が青緑色が多く,他に薄緑色,暗緑色,黄褐色,赤紫色,さらにはガス胞をもち黒く見えるなどであるのに対し,細菌は無色の場合が多いということがあります。しかし,細菌にも細胞内に色素をもつものもありますし,藍藻の中にも細胞の色が薄いものがあり,両者の区別が極めて困難になることがあります。どちらに入るのかわからないときは,無理して決めなくてよいと思います。特に,上の写真A,上の写真Bのように,寒天質基質内に細胞が集まって塊状の群体を形成するものは,ミクロキスティス,アファノカプサ,アファノテーケ,コエロスフェリウムのような塊状群体を形成するものとの区別が困難な場合があります。
細菌は非常に種類が多く,形態も極めて多様性に富んでいるため,他にも細菌と似ている生物は多くありますが,省略します。