目次フレームがあった方がよいという方は,
フレームありをクリックしてください。
緑色植物門 緑藻綱 ボルボックス目 ボルボックス属
 |
 |
 |
 |
 |
| A | B |
| スケールは100μm(0.1mm)です。 |
|
スケールは50μm(0.05mm)です。 |
A:ボルボックス属 Volvox aureus 群体長 340μm
B:ボルボックス属 Volvox aureus 細胞幅 6μmほど 群体の一部の拡大 |
 |
 |
| C |
| スケールは100μm(0.1mm)です。 |
| C:ボルボックス属 Volvox sp. 群体長 580μm |
 |
 |
| D |
| スケールは100μm(0.1mm)です。 |
| D:ボルボックス属 Volvox sp. 細胞幅 8μmほど 群体の一部の拡大 |
写真A,Cと写真B,Dでは画像の倍率が違います。写真A,Cと写真B,Dの拡大比率は1:4です。
このページのトップへ
** このページでとりあげる属 **
ここでは,ボルボックス属(Volvox)をとりあげます。この属にはかなり多くの種かあり,その中には比較的容易に同定できるものもありますが,極めて難しいものもあります。
このページのトップへ

** ボルボックスの特徴 **
- 非常に多く(数百〜数千)の小さな細胞が寒天質基質の表面に配列し,中空の群体を形成します。群体の形は球形またはそれに近い形です。
- 群体内には,数個〜数十個のゴニジアとよばれる大きな生殖細胞もしくはそのゴニジアが分裂した娘群体(赤矢印)が見られます(ごくまれにないときもあります)。
- 個々の細胞は2本の等長の鞭毛(べんもう)をもち,群体は回転しながら遊泳します。
- 細胞は鮮やかな緑色の葉緑体をもち,緑色に見えます。
- 群体の大きさは大きいのが普通で,小さなものは400倍で画面いっぱいに見えますが,普通は100倍でないと群体全体が見えません。大きい群体は肉眼でも小さな緑の点として見えます。
- 極めて普通に見られ,数も多い重要な生物の1つです。池や湖などで浮遊生活をしています。 時には大発生して水の色を緑色に変えるときもあります。
このページのトップへ
** 似ているものと見分け方 **
- ウログレナ : ともに非常に多くの小さな細胞が寒天質の基質の表面に配列し,球形や楕円形の中空群体を形成します。また,群体はともに回転しながら泳ぎます。しかし,細胞の葉緑体の色が違い,ウログレナは黄色,黄褐色,褐色,暗黄緑色などですが,ボルボックスは鮮やかな緑色です。また,ボルボックスは群体内部にゴニジアとよばれる大きな生殖細胞(図1の赤矢印)もしくはそのゴニジアが分裂した娘群体がありますが(まれにないときもあります),ウログレナは群体内部にゴニジアもしくは娘群体をもつことはありません。
- エレモスフェラ : 緑藻に属するエレモスフェラは大きな球形の細胞の内壁面に小さな丸い葉緑体が多数配列していて,ボルボックスと見た目がやや似ています。しかし,ボルボックスは群体が回転しながら遊泳しますが,エレモスフェラは動くことがありません。また,ボルボックスは群体内部にゴニジアとよばれる大きな生殖細胞(図3の赤矢印)もしくはそのゴニジアが分裂した娘群体がありますが(まれにないときもあります),エレモスフェラの細胞内部には目立つ構造物はありません。
- コエロスフェリウム : ボルボックスと藍藻に属するコエロスフェリウムは,ともに非常に多くの小さな細胞が寒天質の基質の表面に配列し,中空群体を形成します。しかし,ボルボックスは群体が回転しながら遊泳しますが,コエロスフェリウムは動くことがありません。また,細胞の色が違い,コエロスフェリウムは青緑色または黒に近い色に見えますが,ボルボックスは鮮やかな緑色です。また,ボルボックスは群体内部にゴニジアとよばれる大きな生殖細胞(図5の赤矢印)もしくはそのゴニジアが分裂した娘群体がありますが(まれにないときもあります),コエロスフェリウムは群体内部に目立つ構造物はありません。なお,藍藻には他にも多くの小さな細胞が寒天質の基質内に集まって群体を形成するものが多くありますが,区別点はコエロスフェリウムと同じですし,群体が中空でなく,区別はやさしいと思います。
このページのトップへ
** 注意 **
- ボルボックスは大きな生殖細胞と小さな非生殖細胞にはっきり分化しています。群体表面にある小さな細胞は全て非生殖細胞で,分裂することはありません。分裂して新たな群体(娘群体)を形成するのは群体内部にあるゴニジアとよばれる大きな生殖細胞に限られます。
- ボルボックスは「オオヒゲマワリ」という和名でよばれることもあります。
- 上の写真Dのように,細胞の形が球形でなく星形状の不定形のものは以前 Volvox globator とされてきましたが,現在では多くの種を含むことがわかっています。なお,このようなものは細胞の形から種を同定することは不可能です。
- 群体表面の細胞間に互いをつなぐ糸状の構造(下の写真の赤矢印)が見られることがあり,原形質連絡糸とよばれます。
- このページは,主として 野崎久義著:ボルボックスとそのなかま(国立科学博物館) を参考にしました。
このページのトップへ
トップページ|名前を調べる|鞭毛虫・鞭毛藻
このページのトップへ